
構想から構造へ──設計者の役割
設計という作業で具体化し、実現しようとするのは、クライアントがこれからの自らの将来像を強い意思で描き出そうとする未来です。未来という形も寸法も色彩も分からないものに、設計という作業で、構造を持たせ、空間を創り出し、素材に寸法や形を与え、機能や用途を発現させることが私の設計者としての仕事です。
知見や正しい予測の力を基に、予算や今という時の制約を超えて、その未来像を見えるものにしてゆくことは大変楽しいことだと感じています。
今井 俊介の経歴
株式会社Studio i代表取締役、一級建築士
- 1952 大阪府生まれ
- 1976 京都大学工学部建築学科卒業
- 1978 京都大学大学院工学研究科修士課程(増田研究室)修了(建築学)
- 1979-81 株式会社レーモンド設計事務所
- 1981 アカデメイア建築研究所一級建築士事務所設立 代表
- 1993 株式会社アカデメイア一級建築士事務所設立 代表取締役(〜2018)
- 1996-2001 NPO法人日本民家再生リサイクル協会副理事長
- 2001-2018 NPO法人日本民家トラスト協会代表理事
- 2018 株式会社スタジオアイ一級建築士事務所設立 代表取締役

設計の目
これまでの建築設計に込めた想いと、その考え方。
空間を創るという行為は、単なる構造物の設計にとどまらず、そこに関わる人々の未来や暮らしのあり方を形にしていくことだと考えています。
設計における哲学や、これまで積み重ねてきた経験から生まれた視点をご紹介します。

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